お花のあるお庭の暮らし
庭にお花を多く植えてしまうと管理が「大変そう」、「枯らしてしまう」などといったお悩みをよく聞くことがあります。
しかし、それらの悩みや心配事にも実際向き合ってみると案外、解決してしまえるものだったりします。
宿根草は特に管理のしやすい植物です。毎年大きく育ち、少しのポイントを知ることで美しく育ちます。
植物の悩みについてはその植物についての成長サイクルを知ればどんな管理が必要かが分かってくるのでまずはよく観察してあげることが重要です。
そして伸びすぎた部分や枯れた部分はこまめに切り戻したり、取り除いてあげることできれいに保つことができます。そのために必要なはさみ等の道具もそろえましょう。
必要な管理が分かれば必要な道具がおのずと分かってきますし、道具を使いこなすというのは楽しいものです。
年々育つ草花のたちの協演
木々の足元をにぎやかにする下草類を植栽することで、少しうす暗い印象のスペースでも華やかにすることができます。
ここの下草類はほとんどが宿根草で構成されていて、一部に低木類と一種類だけ一年草が植えられています。
この場所は午前中はよく日があたり、午後は日陰になるもっとも管理しやすい空間で樹木もお互いの距離感により光がほどよく差し込む状態でした。
草花はそんな環境に向くものをそれぞれのかたまりになるように植えてあります。そうすることで、成長したときにきれいに育ち、手入れもしやすくなっています。
狭いスペースの花壇
この花壇も宿根草をかたまりで植えてあるのでそれぞれがまとまって成長しています。
株同士の間隔も近く、雑草の生えるスペースが少ないので、ローメンテナンスですみます。
宿根草は花の期間が一年草と比べると短いので、葉に特徴のあるものの組み合わせもポイントになります。
この場所は建物の東側に位置し植物の選べる幅が非常に多かったケースです。
ここは日差しが午前中だけにあり、午後には日陰になるエリアで、道路に面しながらもギボウシやヤマアジサイなどの強い日差しが苦手な植物も旺盛に育っていました。
組み合わせる植栽
植物の組み合わせを楽しむにはそれぞれが健全育成する環境に植えてあげることが重要です。
また近くの植物の成長に負けてしまわないように配置のバランスや心地の良いリズムを考えてあります。 そして適度に切り戻したり、植え替えてあげることで仲良く育ちます。
植物の選び方はお庭の雰囲気や将来の姿を大きく左右する大切な要素です。
無数にある植物は樹木や草花などの組み合わせで様々な表情が生まれます。姿や形、特性などを考慮しつつ、それぞれが健全育成していくことが望ましいといえます。
植物は長年にわたってお庭を彩り、成長していきます。その変化を庭で遊びながら、庭で楽しみながら、維持、管理していくことで日々の暮らしにすばらしい恩恵をもたらしてくれます。
植栽の考え方
植物の配置を決める際には、まずそれぞれの種類のかたまりが見やすくなるように、高さとどのくらい大きくなるのかを考慮して道沿いから奥に行くにしたがい大きなものを配置していきます。
また成長して埋もれてしまわないように適度な間隔をあけておきます。
次に形(フォルム)です。しだれるものや直線的なものや丸くまとまるものなど様々な形で変化をつけます。
次は色彩(カラー)です。花や葉の色がそれぞれ引き立つように配置します。開花や実の時期、紅葉などを考慮してみると日々の変化が楽しめます。
そして質感(テクスチャー)です。植物の茎や葉の質感には実に様々なものがありますがそれは原生地の環境に適応した結果です。
見た目の面白さもありますが、適正地の環境を知る手がかりにもなります。
たとえば葉の細いススキなどは乾燥に強く、葉の大きいギボウシなどは日陰に適しているといったことが推測できます。
個性的な質感の植物を用いることで印象的な植栽が可能です。